パワーストーン・石のポートレート
黒曜石(オブシディアン)
黒曜石は黒を帯びたパワーストーンです。伝承では守り、グラウンディング、手放しと結びつけられてきました。
まず知っておきたいこと
- 鉱物ファミリー
- 火山ガラス
- 化学組成
- ケイ酸に富む(一定しない)
- 結晶系
- 非晶質
- 硬度(モース)
- 5〜5.5
- 色
- 黒、ときに輝きを帯びる
- チャクラ
- ルート
- 元素
- 地/火
- 星座
- 蠍座
黒曜石、伝承から読み解く
黒曜石は火山ガラスから生まれた、滑らかで奥深い、まるで暗い鏡のような石です。伝承では境界線の守り手として扱われ、周囲の空気が重くなったときにこそ、はっきりとした一線を引く助けになると言われています。穏やかな盾のように持ち歩くことで、緊張した場面でより地に足がついた感覚を得られると伝えられてきました。デリケートな状況が続く間はそばに置いたり、短い瞑想の中で手放すと決めたものを確認するために手に取ったりしてみてください。その黒さは、地に足をつけて自分自身へと戻ってくることへ誘ってくれます。
アファメーション「健やかな境界線を保ちます。」
地質から見た黒曜石
ケイ酸に富む溶岩が空気や水に触れて急に冷えると、原子が並ぶ時間もないまま固まってしまいます。残るのはガラスです。窓ガラスと同じ非晶質で、ただし天然のもの。ですから黒曜石は厳密には鉱物ではなく、まして「クリスタル」でもありません。鉱物によく似た、けれど鉱物ではないもの(鉱物様物質)です。そのことは、この石の価値を少しも減らしません。
貝殻状に割れる性質が、きわめて鋭い刃をつくります。変種は包有物によるもので、スノーフレークの白い斑はクリストバライト、レインボーの輝きは微細な包有物による光の干渉、「アパッチの涙」は母岩から外れた丸い塊です。産地は火山をたどります。メキシコ、アルメニア、アイスランド、リパリ諸島、アメリカ西部、エチオピア。日本では長野県の和田峠、北海道の白滝、伊豆諸島の神津島が知られています。
黒曜石の歴史と言い伝え
名は大プリニウスに由来し、エチオピアでオブシウスという人物が見つけたと記されています。しかし歴史はそれよりはるかに古い。先史時代から黒曜石は数百キロを越えて運ばれ、考古学が知るもっとも古い交易路のひとつを描き出しました。日本列島でも、旧石器時代にすでに神津島の黒曜石が海を渡って本州へ運ばれ、縄文時代には和田峠や白滝の石が広く流通しています。
アステカでは戦士の武器であり、占い師の道具でもありました。「煙を吐く鏡」を意味する神テスカトリポカの名が、そのまま黒曜石の鏡を指しています。征服のあとヨーロッパへ渡ったアステカの黒曜石鏡の一枚は、16世紀にエリザベス1世の占星術師ジョン・ディーの手に落ち、幻視の道具として使われました。いまは大英博物館にあります。
黒曜石の使い方
空気が重い日にポケットの中へ。短めの瞑想に。
浄化
流水、お香で燻す、音。
チャージ(浄化後の充填)
地面、月光。意図を込める。
よくある質問
- 黒曜石は初心者に向かないと聞きました。
- 伝承がそう語ってきただけで、決まりごとではありません。もしこの石を持って落ち着かない気持ちになるなら、それはあなたの注意が働いているということで、それ自体が面白い出来事です。急がず、自分の速さで付き合ってください。
- 天然か、ガラスの模造かを見分けられますか。
- 黒曜石そのものがガラスなので、ここが難しいところです。目安として、鮮やかで均一な色(「ブルーオブシディアン」「アップルグリーン」など)や、丸い気泡が並んでいるものは人工ガラスを疑ってください。黒、スノーフレーク、レインボーは、まっとうな店のものならたいてい本物です。
- 水に濡らしても大丈夫ですか。
- 問題ありません。ガラスですから、水にも溶けた塩にも影響されません。気をつけたいのは急な温度差と、流しにぶつけることです。縁が欠けます。
- 日本でも採れる石ですか。
- はい。長野の和田峠、北海道の白滝、伊豆の神津島などが知られた産地で、旧石器時代から縄文時代にかけて石器の材料として広く運ばれました。手に取っている石がこの列島の先史とつながっていると思うと、少し見え方が変わります。