月の暦 · 日食と月食

大晦日の夜の皆既月食 年の終わりを、赤い月とともに。

2028年12月31日(世界時基準)、その年最後の満月が地球の影を通り抜けます。深い皆既月食で、食の最大を中心に1時間12分の皆既がつづきます。日本時間では、ちょうど新年を迎えたばかりの2029年1月1日1時52分ごろにあたり、月は真夜中の空高くに昇った絶好の位置で観測できます。ヨーロッパ、アフリカ、アジア、オーストラリアが、この光景を分かち合います。月は蟹座10度にあります。

要点まとめ

日付(世界時基準)
2028年12月31日
日本時間では
2029年1月1日未明
種類
深い皆既月食(食分1.25)
食の最大
16時52分(UTC)、日本時間では2029年1月1日1時52分
皆既食の継続
16時16分から17時28分(UTC)まで、1時間12分間、日本時間では1時16分から2時28分まで
観測地域
ヨーロッパ、アフリカ、アジア(日本を含む)、オーストラリア、太平洋。日本では真夜中の好条件
滞在するサイン
月は蟹座10度、太陽は山羊座

大晦日の夜、何が起こるのか

2026年から2028年の期間で最後の見どころとして、空はとびきりの演出を用意しています。大晦日の満月は地球の影の深いところまで沈み込み、食分1.25という値が、はっきりとした暗赤色の色合いを約束してくれます。本影への進入は15時07分(UTC)から始まり、皆既は16時16分から17時28分までつづき、月は18時37分に影から抜け出します。日本時間では、これが元日の未明という特別な時間帯に重なります。

皆既中の赤色は、謎めいたものというより、むしろ詩的なものです。地球の大気が太陽の光を屈折させ、そこに残るのは銅色を帯びた色調だけ。世界中のすべての朝焼けと夕焼けの光が、同時に月の上に投影されているのです。1時間12分ものあいだ、その年最後の夜は、地平線の上に吊るされた赤いランタンという贅沢を味わうことになります。

どこで、どう見えるのか

日本を含むアジアにとって、この夜は好条件がそろいます。皆既食は日本時間の未明、1時16分から2時28分にかけて起こり、その時間帯、月は空の高いところに昇っています。新年を迎えたばかりの静かな夜、暖かい服装で外に出れば、月がゆっくりと赤く染まっていく様子を存分に楽しめます。特別な機材は不要で、肉眼でも十分に美しく、双眼鏡があれば赤や銅色の陰影がいっそう際立ちます。

世界の他の地域では、ヨーロッパは宵の早い時間帯、月が北東の低い空に昇ったばかりのタイミングで皆既を迎えます。アフリカと中東は、皆既中の月をより高い位置で見ることになります。オーストラリアは元日の未明に観測します。南北アメリカは、今回は蚊帳の外です。月食にいつも変わらないルールが、ここでも当てはまります。肉眼で安全に楽しめ、双眼鏡があれば申し分なく、暖かい上着さえあれば準備は万端です。

占星術ではどう読み解くか

この食のかかった満月は蟹座10度に位置し、山羊座の太陽と向かい合います。2028年から2029年の流れを形づくる蟹座・山羊座シリーズの核心にあたります。蟹座は家庭、記憶、育んでくれる絆を見守ります。山羊座は仕事と、長い時間の積み重ねを見守ります。この軸に皆既食が重なるのが、まさに一年を締めくくろうとするその夜であることは、伝統的な占星術でさえあえて創作しようとは思わなかったでしょう。

月食は「増幅された満月」として読まれます。熟したものが、強い光のもとに姿を現す、静かな真実の一時間です。今回の食は、内省の機会への誘いといえます。広い意味での「家」が、この一年、何を担ってくれたか。野心が、それにどんな代償を課し、何をもたらしてくれたか。来る年についての予兆ではなく、去りゆく年を見つめ直すための、空からの贈り物のような時間です。

その後は?

食の暦は、もちろん2028年12月31日で終わるわけではありません。2029年には同じ蟹座・山羊座の軸の上で、新たなシーズンが続いていきます。とくに複数回の部分日食が予定されています。次の天空の見どころを見逃さないために、日食・月食と満月のカレンダーをチェックしておいてください。

よくある質問

日本では何時ごろ赤い月が見られますか?
皆既は日本時間で2029年1月1日1時16分から2時28分までつづき、食の最大は1時52分ごろです。新年を迎えたばかりの未明、月は空高くに昇っており、絶好の観測条件がそろいます。視界の開けた場所を選べば、肉眼でも十分に楽しめます。
観測に特別な機材は必要ですか?
不要です。月食は肉眼でまったく安全に楽しめます。双眼鏡があれば赤や銅色のグラデーションがより鮮明に見えますし、三脚を使えば、その年最後の夜空の記念撮影もできます。
新年を迎える夜に月食が重なるのは珍しいことですか?
かなり珍しく、しかも趣があります。ヨーロッパやアジアから観測できる皆既月食自体、十年に数えるほどしかない中で、それがぴったり大晦日の夜、月が食のかかった状態で昇ってくるという巡り合わせは、暦のうれしい偶然といえます。

出典

  • 伝統的な農事暦(満月の呼び名)
  • マリア・トゥーン著『バイオダイナミック農事暦』